55歳から年金が貰える時代があったことをご存じですか?
厚生年金の制度がはじまった当時は、なんと55歳から年金が貰えていたんです!
今では年金を貰える年齢を70歳にしようと言う話まで出ていると言うのに……。
その上、2019年6月に老後資金2000万円問題なんていうのもありましたね。
老後夫婦二人で生活するには、年金以外にも2000万円が必要と言う衝撃的な内容でした。
老後につきまとうお金の不安は尽きません。
将来のために、今から何かしなければならないと思っている方は、たくさんいるのではないでしょうか?
無駄遣いをやめる、貯金をする、副業をするなどなど。
できることは色々あると思います。
今からできることの中に、投資を思い浮かべる方もいると思います。
でも、投資は難しそうとか、ギャンブルみたいというイメージがあったりしませんか?
今回は将来のためにできることとして、投資についてお話したいと思います。
投資の中でも今回は、お得で初心者にも優しいつみたてNISAについてお伝えします。
つみたてNISAは、投資をはじめたいけどどうしていいか悩んでいる方や、投資することに不安がある方に、知って欲しい投資方法です。
投資初心者でもわかりやすいように、つみたてNISAがどんな制度なのか、メリットとデメリットも交えてわかりやすく解説していきます。
つみたてNISAって何?
つみたてNISAを簡単に説明すると……
つみたてNISAは、金融庁が2018年からはじめた投資の制度です。
ざっくり言うと、「投資で儲けた分のお金には、税金がかかりませんよ」というものです。
税金って、本当に至るところにかけられていて、お金を儲けると必ず税金が発生するようになっています。投資の利益もしっかりと課税対象になっているんですよね。
その税率は約20%!
身近な消費税と比べてもかなり高い割合ですよね。
しかし、つみたてNISAは、その税金を免除してもらえる制度なんです。
つまり、投資で得た利益はすべて自分のもの!
おいしい話だと思いませんか?
何に投資をするの?
つみたてNISAは、どんなものに投資して出した利益に税金がかからないのでしょうか?
答えは投資信託です。
つみたてNISAの投資対象の大部分は、投資信託で占められています。
専門用語っぽいものが出てきましたね。
簡単に説明すると投資信託は、投資したい人からお金を集めて、専門家が私たちの代わりにお金を運用してくれる投資方法の一つです。
専門家がお金を運用してくれるなんて心強いですよね。つみたてNISAが、初心者にもやさしい理由の一つがこれです。専門的な知識を猛勉強することも、パソコンの前で株価の上下に一喜一憂する必要はありません。
どうやったらつみたてNISAをはじめられるの?
まずは、専用の口座を作りましょう。つみたてNISAをはじめるために証券口座と、つみたてNISAの口座の二つが必要です。この口座がないとつみたてNISAをはじめることができません。
証券口座とつみたてNISA口座は、銀行や証券会社などの金融機関で作ることができます。
いろいろなところで作ることができますが、ネットの証券会社がおすすめです。
ネットの証券会社だと、家にいながら手続きができます。
さらに、100円からの少額投資ができたり、取り扱っている商品の数が多いのも魅力です。
どんな人が利用できるの?
さて、少しずつつみたてNISAがどんなものかわかってきたでしょうか?
次は、つみたてNISAを利用できる人についてです。
条件は二つだけ。
-
日本国内に在住
-
20歳以上
どうですか?
多くの方が簡単にクリアできるのではないでしょうか?
20歳になってない方も諦めないでください。
0歳から19歳まで利用できるジュニアNISAと言うものがあります。
ジュニアNISAについては、別の機会に話したいと思います。
まずは大人のつみたてNISAについて、さらに詳しく見ていきましょう。
つみたてNISAのメリットは?
つみたてNISAがなんとなくわかったところで、メリットについてお話しします。
【メリットその1】税金が免除される
上でも少しお話ししましたが、つみたてNISAの一番のメリットはズバリこれです。
投資によって得た利益には、税金がかかります。
投資で出た利益というのは大きく分けて二つあります。
-
専門家が増やしてくれたお金を貰える分配金
-
今まで買って価値が上がった投資信託を売ったときの売却益
この利益にかかってくる税金の割合は、20.315%!!
わかりやすく小数点以下を切り捨てて、20%で考えてみましょう。
例えば投資で10万円利益があったとします。
税金は2万円、手元に残るのは8万円。
例えですが、ちょっと悲しい気持ちになりますよね。
これは、金額が大きくなるほど大変なことになります。
利益が100万円あれば、税金はなんと20万です!
ここまでくると、ちりも積もればなんて金額じゃないですよね。
最初から大金です。
つみたてNISAだと、この約20%の税金がかかりません。
ただし、投資できるのは1年間で40万円までで、税金がかからない期間は20年という決まりがあります。
【メリットその2】初心者にも安心のラインナップ
つみたてNISAで取り扱われている商品の大部分が、投資信託だとお話ししましたね。
投資信託自体、初心者に優しくはじめやすい商品です。
つみたてNISAの対象商品は、さらに初心者に優しいんですよ。
投資信託は約6000本ほどあります。
こんなにたくさんの中から選ぶのは大変ですよね?
しかし、つみたてNISAで扱っているのは2019年5月7日時点で、163本!
ぐっと数が減ってます。
なぜかと言うと、金融庁が厳しい基準を設けているからです。
その基準をクリアしたものしかつみたてNISAで扱われていません。
つまり、つみたてNISAで扱っている投資信託は、金融庁のお墨付きの投資信託ばかりということになります。
はじめて投資をする方にとって、金融庁の厳しい基準をしっかりクリアしているというのは心強いのではないでしょうか?
【メリットその3】少額からはじめられる
投資はまとまったお金が必要だと思っている方は結構多いと思います。
実際に株を買うとなると何十万、何百万の単位のお金が必要になります。
しかし、つみたてNISAに大金は必要ありません。
少額からこつこつと積み立てていくのが、つみたてNISAの運用スタイルになります。
上で少し触れましたが、つみたてNISAは主に投資信託に投資をします。
投資したい人が少しずつ出したお金を集めて、大きなお金にして、それを専門家が運用するでしたね?
一人一人の出す金額が少なくても、集めて大きなお金にすることで色々な株を買うことができるんです。
投資信託の仕組みのおかげで、少額での投資が可能になっているんですね。
つみたてNISAの口座が持てる銀行や証券会社にもよりますが、中には月100円から積立投資ができる金融機関もあります。
さらに、つみたてNISAは、少額の投資に適しています。
一年間に投資できる金額が、40万円と決められているからです。
毎月積み立てるならば、1ヶ月で最大約3万3千円の投資ができることになります。
最大が3万3千円と言うだけで、金額はこれより少なければ大丈夫です。
小遣いをやりくりして捻出した3千円や、キャリアスマホから格安SIMに乗り換えて浮いた5千円。
このようなお金を投資に回すことができます。
はじめから大きな額の投資をするのは、難しいし、不安があるかも知れません。
しかし、100円や千円なら、少しやってみようかなと思える金額ではないでしょうか?
つみたてNISAのデメリットは?
税金が免除されるつみたてNISAですが、残念なことに世の中にはおいしいだけの話はありません。
つみたてNISAにもデメリットも存在しています。
デメリットがあることもふまえて、さらに理解を深めていきましょう。
【デメリットその1】投資としてのリスク
投資には、避けては通れないリスクがあります。
そのリスクというのは、元本保証がされていないということです。
簡単に言うと、自分が投資したお金が減ってしまう可能性があるということです。
銀行や郵便局で、貯金すると絶対に預けたお金が減ることはありません。
しかし、投資の場合は運用が上手くいかないと、預けたお金が減ってしまうことがあります。
専門家が運用してくれる投資信託で、その上金融庁が厳選していると言っても絶対に損しないとは言えません。
利益が出せる可能性が高いけど、絶対損しないとも言い切れないよ。
この曖昧なところが、投資の厄介なところですね。しかし、これはどうしようもないことなんです。なぜなら、未来のことは誰にもわからないから。
どんな天才でも、凄腕の占い師でも、未来のことを完璧に予測することは不可能です。
だから「たぶんこうだろうなぁ」とか「こうなると思いますよ」くらいの曖昧な事しか言えないんですよね。
この曖昧なリスクをできる限り抑える方法は、気長に投資を続けていくことです。
投資は、投資期間が長ければ長いほど、利益が安定する傾向にあると言われています。
不思議に聞こえるかも知れませんが、リスクを減らすために、できるだけ長い間、継続してこつこつと投資を続けていくことが大切になります。
【デメリットその2】上限額の繰り越しができない。
突然ですが問題です。
毎月2万円ずつ1年間で24万円投資したとします。
つみたてNISAの1年の上限額は40万円ですから、あと16万円分投資できます。
この16万円の枠は、来年に繰り越すことができるでしょうか?
答えは、いいえです。
上限額の40万円の枠ですが、次の年に持ち越すことができません。
次の年に上限額の40万円と、前年の分16万円を合わせて56万円投資できるとはなりませんから、注意してください。
1年で40万円以上投資したい場合は、つみたてNISAの他に、普通の証券口座を持つ必要があります。
【デメリット3】つみたてNISAとNISAは2つ同時に持てない
つみたてNISAとNISA、どちらか一つの口座しか持つことができません。
まず、NISAについて少し説明します。
NISAは、名前からも想像できる通り、つみたてNISAとよく似た制度です。
大きなメリットはやはり、投資で出た利益に税金がかからないことです。
違う部分は、投資できる期間や、投資できる商品に違いがあります。
この2つを使えば、さらに節税できる……と、言いたいところですが、残念なことに同時に持つことができません。
ただし、途中でNISAからつみたてNISAに切り替えたり、つみたてNISAからNISAすることは可能です。
つみたてNISAとNISAの違いを下の記事にまとめています。
詳しく知りたい方は参考にしてくださいね。
(もうすぐ記事が出来るのでリンク貼ります)
【デメリット4】損益通算や繰越控除ができない
またまた難しい言葉が出てきました。
しかし、これはつみたてNISA以外に他の証券口座で投資している方のデメリットです。
つみたてNISAのみの方は、読み飛ばしても大丈夫です。
まずは、損益通算から説明しましょう。
漢字の通り、損失と利益を通しで計算すると言う意味です。
何の損益なのかというと、複数の証券口座の損益です。
具体的に例をあげてみましょう。
A証券口座で50万円利益がありました。
しかし、B証券口座では20万円の損失額があったとします。
この二つを合計して、利益が30万円でした。
と、できるのが損益通算です。
これがあるのとないのでは税金のかかり方が違ってきます。
損益通算した方は、30万円分の利益に対して税金がかかります。
しかし、損益通算しない場合は、50万円分の利益に対して税金がかかってしまいます。
税金は20.315%ですから、20%で計算しても、30万円の場合は6万円の税金がかかるのに対して、50万円の場合は10万円の税金がかかります。
その差額はなんと4万円!
損益通算するとかなりの節税効果があるのがわかりますね。
繰越控除は、損益が出ている場合に適用される制度です。
損益があった年から3年間は、損益と利益の差額を申告することができます。
つみたてNISAで損益があった場合、損益通算も繰越控除もできません。
つみたてNISAは、他の課税される一般証券口座とは、次元の違う特殊な証券口座と言えますね。
まとめ
つみたてNISAは、投資して出た利益に税金がかかりません。
さらに、投資対象は金融庁の厳しい基準をクリアした投資信託です。
投資をしたことのない人にとって、つみたてNISAは、リスクが少なくはじめやすい投資だと言えます。
しかし、投資は完全にリスクがないと言えないデメリットがありましたね。
損してしまうリスクを減らすには、長期間の投資を続けることです。
つみたてNISAは、20年という長い期間投資を続けることができます。
長い間投資していくには、ちょうどいい制度ですね。
老後に対する不安は尽きることはありません。その不安を少しでも減らすために、少しずつこつこつとつみたてNISAでお金を運用してみてはいかがでしょうか?