世の中にある投資信託は、約6000本です。
その中でつみたてNISAの対象になっているのは、160本です。
6000本から160本まで減っていますが、まだまだ数が多いですよね。
投資信託を選ぶのは、お金に関わる大切なことです。
しかし、160本も商品を見比べるのは、正直面倒だと思いませんか?
今回は、すでにつみたてNISAをはじめている先人たちが買っている人気の投資信託について説明していきます。
なぜ人気の投資信託の説明をするかというと、人気の投資信託には何かしら人気になる理由があるからです。
その理由がわかってくると、投資信託選びに有効な情報もわかってきます。
人気の理由を知って、購入を検討するもよし、他の投資信託と見比べる判断材料にするもよしです。
すべての投資信託を見比べる前に、まずは人気の商品を見ていきましょう。
目次
- 1 投資信託を選ぶ4つのポイント
- 2 つみたてNISA対象の投資信託買付ランキングベスト10
- 3 ランクインした投資信託を個別に解説します!
- 3.1 1位 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- 3.2 2位ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
- 3.3 3位楽天・全米株式インデックス・ファンド
- 3.4 4位三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
- 3.5 5位三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
- 3.6 6位三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 3.7 7位三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
- 3.8 8位ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド
- 3.9 9位ニッセイ-ニッセイ日経225インデックスファンド
- 3.10 10位野村-野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型
- 3.11 番外編 レオス-ひふみプラス
- 4 まとめ
投資信託を選ぶ4つのポイント
まずは投資信託を選ぶ時に見るべきポイントを説明します。
ここをおさえておけば、投資信託選びがぐんっと楽になります。
-
投資したい対象を選ぶ
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投資信託の種類
-
信託報酬の安いものを選ぶ
-
純資産総額が多く、増え続けているものを選ぶ
・投資したい対象を選ぶ
投資信託ごとに、投資する対象が違います。
投資する対象によって、自分の投資したお金が減ってしまう元本割れのリスクが 変わってきます。
基本的に元本割れのリスクが高いものほど、利益が大きくなります。
逆に元本割れのリスクが低くなると、利益は小さくなります。
大まかな投資の対象ごとにリスクとリターンの関係を図に表してみました。
投資信託を選ぶ前に、まずどのくらいのリスクが取れるか考えてみましょう。
自分が受け入れられるリスクが決まったら、それに対応した投資信託を選びましょう。
考えても答えが出ない!と言う方は、ロボアドバイザー
で診断してみてください。
いくつかの質問に答えると、最適な投資先を教えてくれます。
・投資信託の種類
投資信託は、インデックスファンドとアクティブファンドの二つにわけることができます。
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インデックスファンド
-
日経などの指数の値動きと同じ動きをする
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信託報酬が安い傾向
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ローリスク・ローリターン
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アクティブファンド
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指数より大きな利益を上げることを目的としている
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投資信託を運用する専門家の考え方や経験が強く反映される
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信託報酬が高くなる傾向にある
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ハイリスク・ハイリターン
-
二つの投資信託は、全く性格が違います。
初心者はまずインデックスファンドからはじめることをおすすめします。
インデックスファンドについてまとめた記事もあるので、こちらも参考にしてみてください。
・信託報酬
信託報酬とは、私たちの代わりにお金を運用してくれる専門家に支払う手数料です。
お金を貯めるためのつみたてNISAなので、手数料などの出て行くお金は、必要最低限にしましょう。
信託報酬について書いた記事もあるので、詳しく知りたい方はこちらを見てください。
・純資産総額が多く、増え続けているもの
純資産総額は、投資信託が持っているすべての財産のことを言います。
運用中の株や債券、それとその分配金から信託報酬などのコストを引いたものが財産です。
これは、投資信託の規模を表しています。
金額が多いほど分散投資ができて運用が安定します。
また、純資産総額が多いと、信託報酬が安くなる傾向にあります。
純資産総額が増える投資信託は、順調に財産を増やし、投資者を増やしているいい投資信託だと言えます。
つみたてNISA対象の投資信託買付ランキングベスト10
投資信託の選び方がなんとなくわかったところで、早速どんな投資信託がよく買われているのか見ていきましょう。
参考にしたのは、SBI証券の2019年8月のつみたてNISAで積立金額の多かった投資信託ランキングです。
順位 |
投資信託名 |
種類 |
信託報酬 |
純資総産額 |
1位 |
インデックス |
0.162% |
280.69億円 |
|
2位 |
インデックス |
0.107892% |
127.925億円 |
|
3位 |
インデックス |
0.1596% |
533億円 |
|
4位 |
インデックス |
0.1512% |
310.96億円 |
|
5位 |
インデックス |
0.107892% |
542.25億円 |
|
6位 |
インデックス |
0.1296% |
62.04億円 |
|
7位 |
インデックス |
0.1296% |
76.76億円 |
|
8位 |
インデックス |
0.1512% |
238.79億円 |
|
9位 |
インデックス |
0.1512% |
1450.65億円 |
|
10位 |
インデックス |
0.54% |
101.67億円 |
番外編
上位10位はすべてインデックスファンドだったので、アクティブファンドも1つ紹介します。
順位 |
投資信託名 |
種類 |
信託報酬 |
純資総産額 |
- |
アクティブ |
0.8424% |
5652.4億円 |
ランクインした投資信託を個別に解説します!
1位 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
投資先はアメリカの株式のみです。
指数としているのは、S&P500です。
S&P500は、ニューヨーク証券取引所、NASDAQ、NYSE
Americanの3つのアメリカの有名な証券取引所に上場している大企業500社の株価で構成されてます。
マイクロソフトやアップル、Amazonなどアメリカの有名企業500社に投資ができる投資信託です。
運用されはじめたのは、2018年7月3日とまだ新しい投資信託です。
新しい投資信託ですが、S&P500を指数にした投資信託の中で信託報酬が最も安く、順調に純資産総額を増やしています。
2位ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
投資先は、日本以外の先進国の株式です。
指数としているのは、日本の日経株価指数の世界版と言える「MSCIコクサイ」です。
MSCIコクサイは、日本を除く22カ国の先進国の1318銘柄で構成されています。
主な投資先はアメリカで、全体の68.2%を占めています。ついでイギリスが6.3%、フランスが4.1%と続き、合計22カ国に分散投資できます。
純資産総額が1200億円超えの莫大な資産を持つ投資信託です。
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」にて2位に入賞しています。
また同ランキングで5年連続入賞を果たしているので、長年人気の投資信託と言えるでしょう。
3位楽天・全米株式インデックス・ファンド
通称、楽天・バンガード・ファンド(全米株式)と呼ばれています。
投資先はバンガード・トータル・ストック・マーケットETFのみです。
バンガード・トータル・ストック・マーケットETFの「バンガード」は世界最大の運用会社の名前です。
トータル・ストック・マーケットETFは投資信託の名前です。
最後についている「ETF」は、株と同じように売買できる、上場された投資信託のことを指します。
つまり、投資信託に投資するちょっと変わった投資信託です。
投資信託に投資するなら、自分で直接投資をしたらいいじゃない?と思う方もいるかも知れませんね。
しかし、自分で海外の株取引をするのは、面倒な上にコストもかかるんです。
まず円をドルに換えなければいけませんし、手数料もかかります。
株を売買するのと同じなので、売買手数料もかかります。
つみたてもできないので、毎月自分で手続きをしなければいけません。
その度に手数料もかかりますから、手間とコストがかさんでしまいます。
その手間とコストを解消するのが、この投資信託です。
この投資信託は、円で買えますし、毎月自動でつみたてもでき、売買手数料もかかりません。
指数になっているのは、CRSP USトータル・マーケット・インデックスです。
CRSP USトータル・マーケット・インデックスは、アメリカの市場に上場している大、中、小企業の約4000企業から構成された指数です。
S&P500よりアメリカの色々な企業に分散して投資を行うことができるのが特徴です。
4位三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
投資先は、日本と海外です。
投資の対象は株式だけにとどまらず、債券や不動産まで幅広く分散投資できます。
日本、先進国、新興国の株式、債券と国内外の不動産の8つの資産に12.5%ずつ均等に投資します。
地域だけでなく資産分散もされているので、堅実な運用をしたい方におすすめです。
この投資信託は、8資産分散資産の中でも、信託報酬が最も安くなっています。
5位三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
投資先は、日本以外の先進国の株式です。
指数としているのは、日本の日経株価指数の世界版と言えるMSCIコクサイです。
2位のニッセイの外国株式インデックスファンドと同じ指数ですね。
なので、構成もほぼ同じです。
投資先の半分以上がアメリカで、その割合は67.9%です。
続いてイギリスが6.4%、フランスが4.2%、以下22カ国に分散投資しています。
信託報酬は、ニッセイ外国株式インデックスファンドとまったく同じ0.107892%です。
大きく違うのは、純資産総額ですが、eMAXIS Slimの純資産総額も542.25億円と少なくありません。
6位三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
投資対象は、世界中の株式です。
指数となっているのはMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスです。
先進国と新興国の大、中企業、約2500社の株で構成されています。
先進国が88%、新興国が11.7%で、主な投資国はアメリカ55%、日本7.2%、イギリス5.2%と続き、47カ国に投資できます。
世界中にくまなく投資できる上に、こちらも投資信託が安く抑えられています。
7位三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
投資対象は世界の株式です。
指数となっているのはMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスです。
6位の全世界株式(オール・カントリー)と同じ指数を使っていますが、こちらは日本が除かれています。
投資先はアメリカが59.3%、イギリスが5.6%、中国4.2%と続き、46カ国に分散投資できます。
先進国と新興国の割合は、先進国が87.3%、新興国が12.7%となっています。
この投資信託だけに投資してもいいですが、日本の株式に投資する商品と合わせて2本の投資信託を持つことで、さらにリスクの分散ができますね。
8位ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド
ここではじめて日本の株式がランクインしました。
指数となるのはTOPIXです。
TOPIXは、東証一部市場に名前の上がっている約2000の企業のすべての株価から算出されます。
投資している主な企業は、トヨタ自動車、ソフトバンクグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ソニー、日本電信電話などです。
TOPIXを指数にしている投資信託は、日本を代表する企業から、中堅企業、新興企業まで幅広い企業に投資できるのが魅力です。
この投資信託も、信託報酬が安く設定されています。
やはり、信託報酬が安い投資信託は人気が高いようですね。
9位ニッセイ-ニッセイ日経225インデックスファンド
9位も日本の株式が投資対象となっています。
指数は、日経株価指数です。
日経平均株価は、日本の代表的な株価指数で「日経平均」や「日経225」とも呼ばれます。
東京証券取引所一部に上場された大企業の中から選ばれた225の企業の株価の平均値です。
TOPIXとちがってこちらは大きな企業のみに投資しています。
主な企業は、ファーストリテイリング、ソフトバンクグループ、ファナック、東京エレクトン、KDDIなど、TOPIXとは違う企業名が上がっています。
こちらは、8位の幅広い企業に投資するのではなく、大企業ばかりの会社に投資する商品になっています。
日本の株式と一口に言っても、指数の違いで投資先が変わりますね。
10位野村-野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型
上位はほぼ三菱UFJ国際投信とニッセイアセットマネジメントが占める中、野村アセットマネジメントがランクインです。
4位のeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)と同じバランス型ですが、こちらの投資信託は7つの資産に分散投資しています。
日本の株式が約16.66%、外国株式が約16.66%、日本、先進国、新興国の債券がそれぞれ約11.11%ずつ、国内外の不動産がそれぞれ約16.66%ずつの7つで構成されています。
リスクを減らすという意味で、バランスファンドはいい投資信託です。
この投資信託には、もう一つリスクを軽減してくれる機能があります。
それは、海外の株式に投資する際に為替ヘッジがあることです。
外国へ投資するには、日本円を現地の通貨に変える必要があります。
その時、円安や円高の影響を受けてしまいますよね。
その影響を最小限に抑えるのが為替ヘッジです。
バランス型で、為替ヘッジもあり、リスクに対する備えは万全ですが、その分他の投資信託に比べて信託報酬が0.54%と高くなっているのが気になるところですね。
リスクを取るか、コストをとるかで判断が分かれる投資信託と言えるでしょう。
番外編 レオス-ひふみプラス
最後に番外編をお届けします。
ランキングはすべてインデックスファンドばかりだったので、アクティブファンドについて触れてみたいと思います。
この投資信託は、アクティブファンドなので指数はありません。
国内外の上場株式を主要な投資先としています。
割安だと思われる株を買い、長期的な投資を行います。
成長株には投資額を増やし、下落している株は売却して資産を増やしていく投資信託です。
指数通りの動きを目指すインデックスファンドとはまったく異なる運用スタイルですね。
日本と海外の割合は、日本の株式が85.33%、海外の株式が12.67%となっています。
主な投資先は、協和エクシオ、東京センチュリー、ネットワンシステムズ、光通信、ダイフクなどがあります。
日本の会社が上位の5つを占めていますが、聞き覚えのない会社が多いですね。
やはり気になるのが信託報酬です。
0.8424%と今までに見てきた投資信託と比べて高いです。
しかし、投資信託の純資産総額は5600億円を超えていて、リスクはありますがリターンをしっかり出している実績があります。
今回はランキングに入らなかったものの高い人気を誇っています。
まとめ
・投資信託を選ぶポイント
-
投資対象を考える
-
インデックスファンドかアクティブファンドか
-
信託報酬の安いもの
-
純資産総額が多く、増えているもの
・よく買われている投資信託の特徴
-
信託報酬が最安の三菱UFJ国際投信「eMAXIS
Slimシリーズ」と、ニッセイアセットマネジメント「〈購入・換金手数料なしシリーズ〉」が人気。 -
トップ10すべてがインデックスファンド。
-
人気の投資信託は、信託報酬が安い
-
上位はほぼ海外の株式が占めている。そして、その大半がアメリカに投資されている。
人気の投資信託は、選び方のポイントを抑えているものが多かったですね。
信託報酬は安く、純資産総額が多いものが占めていました。
また、人気の投資先は海外の株式でした。
人気の理由は、日本の株式よりリターンが大きいからだと考えられます。
投資信託は、少額のお金で色々な企業に投資ができます。
解説のところでも具体的な名前を出しましたが、マイクロソフトやアップル、アマゾンなどアメリカの超有名な企業に投資をしていると思うと、ちょっとわくわくするような、偉くなったような気がしませんか?
つみたてNISAや、投資信託をはじめるのは、自分のお金を増やすことが目的です。
しかし、それが回り回って会社の役に立っているんです。
企業の成長を助けながら、お金を増やせるって凄いですよね。
人気の投資信託がどんな商品なのか知った上で、ランキング内から選ぶもよし、他の投資信託と見比べて選ぶもよしです。
どちらにせよ、自分のリスクの許容範囲や、信託報酬の安さだけでなく、自分が投資したお金がどんな国や企業に使われているかなども頭の片隅に入れて投資信託を選んでみてください。