【ストップ高・ストップ安とは】市場は興奮状態!初心者は手を出すな!

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株式投資をしていると取引時間が始まっているのに値がまったく付かない!ずっと値が無しのままになっている!という銘柄に出会うことがあります。この時、ストップ高ストップ安と呼ばれる状態になっている可能性があります。

 

ストップ高やストップ安とは、株式市場においてひとつの銘柄に多数の人が強烈に『買いたい!売りたい!』という注文が大量に入る状態で値幅制限(ねはばせいげん)がかかっていることを指します。

 

それではなぜ値幅制限(ねはばせいげん)がかかるのか、また『ストップ高・ストップ安を狙って取引することは』うまみはあるのか、それとも危険な罠なのか……。その仕組みと取り組むべきかどうかを説明していきましょう。

 

ストップ高やストップ安は投資家の資産を守るためにある(値幅制限)

 

 たとえば100円未満の株価は上下30円しか株価が変動しません。100円以上200円未満の株価は50円など株価の価格帯に応じて、厳密な値幅制限があるのです。そして、値幅制限の上限に達した状態がストップ高、下限がストップ安です。

 

それではなぜストップ高やストップ安が起こるのでしょうか?

好材料や悪材料によって、出来高ランキングの上位に突然、ランクインするストップ高・ストップ安銘柄。株価は、さまざまな材料によって常に変動していることはみなさんお分かりですよね。そしてそれらは、材料によって大きく変動を見せます。たとえば企業が不祥事を起こしてしまったときは株価が大きく下落します。これはマイナスの材料によって、株主たちが保有株式を売り抜けるために起こる現象です。反対に、好決算が発表されたり前途有望な企業の買収に成功するなど、上場企業にとってプラスの材料があった場合には、投資家によって株式が買われ、株価は大きく跳ね上がります。

 

しかし材料によって株価が変動しすぎると、投資家の資産が一気に消失してしまう可能性があります。こうした投資家たちの混乱を防ぐために、株価には値幅制限が設けられているのです。

 

人は冷静に判断できないもの、特に自分の資産をかけている株式市場においては、儲けよう!損してたまるか!と人々の狙いが渦巻いてるので、そうした混乱が起こりやすい状態に常にあります。

 

ストップ高やストップ安の銘柄を買うことは本当に危険なのか?

 

 ストップ高・ストップ安になった銘柄は、たいていの場合、出来高が異常に高まり、証券会社のサイトや取引ツールでは出来高ランキングの上位にたびたび姿を見せます。投資初心者さんのなかには、ストップ高の銘柄を見ると、「翌日もストップ高になって、大儲けできるのでは?」と思う人もきっといると思います。またストップ安銘柄を見て、「これはとても怖くて買えないな」と判断する人は多いのではないでしょうか。

 

 ここで、ストップ高・ストップ安銘柄を買う、危険な売買の検証を行った事例があります。検証の前提としてはストップ高・ストップ安銘柄を翌日の寄り付きで成行買いします。含み益が10%または含み損が10%になったら売ります。これを機関で検証してみた結果、ストップ高の銘柄を買った場合は勝率は約40%、平均損益は0.3%とギリギリの利益だったことがわかりました。危険な賭けをした割には、あまりに小さい利幅です。

 

 一方、ストップ安の銘柄を買った場合は勝率が54%と、少しはまともな結果になりました。平均損益はそれでも約3%と低めではありますがストップ高のそれと比べると、利益が出ていたことがわかります。統計的にはある程度有利なトレードと言えそうです。

 

【結論】ストップ高やストップ安の銘柄の取引は初心者にはおすすめできない投資手法

 

 

 ストップ高の銘柄は、チャート的には株価が跳ね上がっており、うまみがありそうに見えます。しかし「ストップ高銘柄=儲かる」という思い込みは、すぐにぬぐい去るべきでしょう。

 

また、ストップ高・ストップ安の銘柄を買っている最中は、いつ株価が反発してもおかしくないので、板に張り付いていなければなりません。これではまともな精神状態ではいられないはずです。投資判断が遅れてしまうと、信用取引を行う投資家の場合、一発退場という恐怖感もあることでしょう。

 

 ストップ高・ストップ安銘柄に手を出すならば、精神的なプレッシャーとの戦いとなります。今回の結果を実際のトレードに反映させる場合は、短期的な値動きに目を奪われるのではなく、「売買ルールは絶対に守る」と言う強い意志が必要になるでしょう。「人の行く 裏に道有り 花の山」という投資格言もあるように、初心者が行う投資手法の多くが、むしろ損をする場合も多々あります。

 

慣れていくとあえてストップ高、ストップ安銘柄を狙って取引するプロもいたりしますが、株式投資をし始めたばかりの方は「ストップ高は高くなる」といった見た目に惑わされず、ストップ高銘柄やストップ安銘柄には手を出さないのが無難でしょう。